あらゆる生物の生命活動の維持に欠かせないのが「タンパク質」である。その中でも、光受容タンパク質として機能している「ロドプシン」は、光による膜電位の操作や、細胞内セカンドメッセンジャーの濃度コントロールなど、さまざまな働きを担うことが分かってきており、今注目を集めている。この「ロドプシン」の構造解析を通じて、遺伝子治療への応用や、さまざまな研究に活用できる有用なツールの開発など、多くの研究成果を上げているのが東京大学大学院 総合文化研究科 … [もっと読む...] about タンパク質を「視る」「識る」「創る」で、新たな技術を創出し、生命現象を解明する〜加藤英明・東京大学大学院 総合文化研究科 先進科学研究機構 准教授
Bio/Life Science
植物の香りのコミュニケーションを紐解き、防除技術に活用~有村 源一郎・東京理科大学 先進工学部生命システム工学科 教授
植物の香り(匂い)は、植物同士や昆虫との空間コミュニケーションにおいて、欠かせない機能である。例えば、害虫に食べられた植物の葉から大気中に放出された香りは、近くにいる被害のない植物の防御力を高めることで知られている。このように香りに反応した近隣の植物からは防御物質が作り出され、害虫などからの攻撃に対処することができる。このメカニズムを分子レベルで初めて紐解いたのが東京理科大学 … [もっと読む...] about 植物の香りのコミュニケーションを紐解き、防除技術に活用~有村 源一郎・東京理科大学 先進工学部生命システム工学科 教授
身体の外で脳のような組織を作ることで、脳の仕組みを解明する〜池内 与志穂・東京大学 生産技術研究所 物質・環境系部門 准教授
脳のなかには約千数百億もの神経細胞があり、それが複雑につながり合って、さまざまな機能を果たしている。しかし、脳にはまだまだ解明されていない謎が多い。そこで身体の外で脳のような神経組織をヒトのiPS細胞から育て、回路の様につなぎ、観察することで、脳の働きや発生の仕組みの解明に取り組んでいるのが、東京大学 生産技術研究所 … [もっと読む...] about 身体の外で脳のような組織を作ることで、脳の仕組みを解明する〜池内 与志穂・東京大学 生産技術研究所 物質・環境系部門 准教授
運動器疾患の発症メカニズム解明から創薬を考える 〜稲田 全規・東京農工大学大学院 生命工学専攻 准教授
運動器である骨・歯・筋はからだの運動を司り、動くこと、歩くこと、食べることを支えることから、これらが病(疾患)に陥いることにより、著しく生活の質( QOL:Quality of Life)が制限される。運動器の疾患は、社会の高齢化や生活習慣と密接に関連し、予防するには個々の病の発症要因を正確に突き止める必要がある。運動器疾患を生命科学からアプローチし、これらの疾病の発症メカニズムの解明と創薬への開発を目指した研究を行なっているのが、東京農工大学大学院 生命工学専攻の稲田 全規 … [もっと読む...] about 運動器疾患の発症メカニズム解明から創薬を考える 〜稲田 全規・東京農工大学大学院 生命工学専攻 准教授
生殖細胞学の観点から、不妊のメカニズムを解明する〜林克彦・九州大学医学研究院教授
不妊症は社会問題のひとつであり、その治療と原因究明が望まれている。生殖細胞の発生過程を体外培養系で再構築するべく、哺乳類の生殖細胞の発生・分化について、分子生物学や細胞生物学的な手法を用いて研究に取り組んでいるのが、九州大学医学研究院の林 克彦 … [もっと読む...] about 生殖細胞学の観点から、不妊のメカニズムを解明する〜林克彦・九州大学医学研究院教授
遺伝子研究から、嗅覚の謎を解き明かす〜廣田 順二・東京工業大学生命理工学院 生命理工学系 准教授
嗅覚は五感のなかでも研究がすすんでおらず、手付かずの未解明の問題がまだまだ残されている。嗅神経系の成り立ちと機能の理解を目指し、遺伝子レベルから個体レベルまでの化学感覚研究を広く行なっているのが、東京工業大学生命理工学院の廣田 順二 准教授。長大なゲノムDNAを安定に操作するための技術開発とその応用研究というゲノム工学技術領域にも携わる廣田 … [もっと読む...] about 遺伝子研究から、嗅覚の謎を解き明かす〜廣田 順二・東京工業大学生命理工学院 生命理工学系 准教授
放線菌の研究で、新物質を見つける、生み出す〜大西 康夫 ・東京大学大学院農学生命科学研究科 教授
天然の抗生物質の3分の2程度を生産するのが、複雑な形態分化と二次代謝産物の多様性に特徴づけられる細菌「放線菌」である。「発酵学」すなわち「応用微生物学」の分野で、この放線菌に関わる研究に力を入れているのが、東京大学大学院農学生命科学研究科の大西 … [もっと読む...] about 放線菌の研究で、新物質を見つける、生み出す〜大西 康夫 ・東京大学大学院農学生命科学研究科 教授
生態発生学の観点から、多様な動物の進化を解明する〜三浦 徹・東京大学大学院理学系研究科 附属臨海実験所 教授
動物の革新的な進化は、いかにして起こるのか。これら発生過程を解明するべく、さまざまな種類の動物の生活史や発生機構について研究を行なう学問が、生態発生学と呼ばれる学問である。この生態発生学の第一人者として知られるのが、東京大学 大学院理学系研究科 附属臨海実験所の三浦 … [もっと読む...] about 生態発生学の観点から、多様な動物の進化を解明する〜三浦 徹・東京大学大学院理学系研究科 附属臨海実験所 教授
小麦の品種改良で、世界の食糧危機を防ぐ〜辻本 壽・鳥取大学乾燥地研究センター副所長・教授
地球規模での人口増と温暖化に備え、あらたな穀物の品種のニーズが高まっている。こうしたなか、遺伝子工学と染色体工学の技術を利用して、乾燥ストレスに強い作物の品種改良に大規模に取り組んでいるのが、鳥取大学乾燥地研究センターの辻本 … [もっと読む...] about 小麦の品種改良で、世界の食糧危機を防ぐ〜辻本 壽・鳥取大学乾燥地研究センター副所長・教授
クマの生態研究から、森林の生態系を解明する〜小池 伸介・東京農工大学大学院農学研究院 准教授
森林の多種多様な動物や植物は、相互に影響しあいながら生活を送っている。こうしたなか、野生のツキノワグマを中心に、森林の生き物の生態を生態学的手法により解析し、森林と人類の共存のために必要な知見を日々発表しているのが、東京農工大学大学院農学研究院 の小池 伸介 … [もっと読む...] about クマの生態研究から、森林の生態系を解明する〜小池 伸介・東京農工大学大学院農学研究院 准教授