世界レベルでの食料需給の安定化と飢餓対策のためには、グローバルな食料生産変動の予測・監視に基づく食料輸入国での備蓄や国際機関による緊急援助などの対策が重要である。しかしながら従来、入手できる作物収量データには制約があり、予測できる地域が限定されるという課題があった。 こうしたなか、主要穀物の生産地域を網羅するグローバルな収量データベースを構築し、気温と土壌水分量の季節予測データと組み合わせ、全世界の収穫面積の約20%にあたる地域の米・小麦の収量変動を収穫3か月前に予測できるモデルを発表したのが、農研機構 農業環境変動研究センターの飯泉 仁之直 … [Read more...]
キリンの解剖から、首の進化を解明する〜郡司 芽久・国立科学博物館日本学術振興会特別研究員PD
ヒトなど哺乳類を含む脊椎動物(せきついどうぶつ)の生態や進化を考えるうえで重要なのが、首や背骨に関する解剖学的な視点である。これら脊椎動物のなかでもキリンに注目し、独自性の高い研究をおこなっているのが、国立科学博物館の郡司 … [Read more...]
電気自動車の時代に必要な蓄電池を開発する〜藪内 直明・横浜国立大学大学院工学研究院 機能の創生部門 教授
電気自動車の普及など、100年に一度の変革期とされる自動車業界にとって、あらたな蓄電池の開発は必要不可欠である。こうしたなか、既存のリチウム電池の高機能化や、リチウムに代わるナトリウム電池の開発など、新時代のバッテリー開発に取り組んでいるのが、横浜国立大学大学院工学研究院 機能の創生部門の藪内 … [Read more...]
活性汚泥のメカニズムを最新技術で解明する〜佐藤由也・産業技術総合研究所環境管理研究部門 主任研究員
日本の下水処理場では、「活性汚泥」と呼ばれる微生物の集団を用いた下水の分解処理がなされている。この活性汚泥は長年使われているが、その正確なメカニズムが解明されないまま今日に至っている。こうしたなか、近年目覚ましい発達を遂げている次世代シーケンサーを用いて、「微生物生態学」の観点から活性汚泥のメカニズム解明に取り組んでいるのが、産業技術総合研究所環境管理研究部門の佐藤由也主任研究員だ。数千種類の微生物の集合体を観察する手法と研究アプローチについて、佐藤研究員に話を伺った。 微生物生態学の観点から活性汚泥を研究 Q:まずは研究の概要について教えてください。 我々の家庭やオフィスなど、人がいるところでは必ずと言っていいほど水を使います。使った水は必ず処理をしてからでないと、川などに流すことはできません。 我々が行っているのは、処理場に集められた下 … [Read more...]
匂いの研究から、行動・意識の神経回路メカニズムを解明する〜吉原良浩・理化学研究所脳神経科学研究センター システム分子行動学研究チーム チームリーダー
生物の持つ五感のうち、最も原始的な感覚が嗅覚である。未解明な部分も多い嗅覚メカニズムを解明することで、生物のさまざまな行動の作動原理が理解されることが期待されている。こうしたなか、マウスやゼブラフィッシュをモデル生物として用い、匂い入力から行動出力へと至る嗅覚神経回路メカニズムの統合的研究を手掛けているのが、理化学研究所脳神経科学研究センター … [Read more...]