乳がんは、様々な種類のがんの中でトップクラスの罹患率があり、初期段階での発見が必要である。しかし、現状の初診検査では患者側の負担が大きく、判定も不正確であるなど課題も多い。こうしたなか、「マイクロ波」を用いて従来とは異なる検査手法を開発しているのが、電気通信大学大学院情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻の木寺 … [もっと読む...] about マイクロ波を用いた検査により、乳がん検査の精度を高める〜木寺 正平・電気通信大学准教授
サイバー攻撃の観測により、最先端のセキュリティを追求する〜吉岡 克成・横浜国立大学大学院 准教授
近年、安価なIoTデバイスの普及により、セキュリティ水準の低い「弱い機器」が悪質なネットワーク攻撃の標的になるという事態が起きている。そこで、「IoT機器×サイバーセキュリティ」を一つの研究テーマとし、サイバー攻撃の中身を深く理解するとともにその対策を考案しているのが、横浜国立大学大学院 環境情報研究院の吉岡 … [もっと読む...] about サイバー攻撃の観測により、最先端のセキュリティを追求する〜吉岡 克成・横浜国立大学大学院 准教授
腸管モデルの開発で、科学的実験の土台をつくる〜大澤 朗 ・神戸大学食の安全安心科学センター・センター長
急速に膨れ上がる我が国の医療費。その約1/3が生活習慣病に依るものであり、これを予防・軽減する機能を持つ食品の開発・販売が切望されている。2015年には「機能性表示食品」制度が施行され、生活習慣病予防のための食品開発が盛んに行われている。しかしながら、機能性表示の認可には医薬品同様にヒト介入試験をも含む科学的な機能性の証明が求められ、これが画期的・意欲的な機能性食品開発の障害となっている。こうしたなか、ヒト介入試験に先立って食品の機能性をプレ評価する「KUHIM」と名付けられたヒト腸管モデルを開発したのが、神戸大学 … [もっと読む...] about 腸管モデルの開発で、科学的実験の土台をつくる〜大澤 朗 ・神戸大学食の安全安心科学センター・センター長
汎用金属触媒の開発で、医薬品候補分子の実用化を推進する〜松永茂樹・北海道大学 教授
医薬品合成においては触媒の利用が一般的であるが、従来多く使われてきたのはロジウムやパラジウムなどのレアメタル触媒だ。レアメタル触媒は優れた触媒性能を持つものの、希少で高価な点が課題とされており、豊富で安価な金属触媒の開発が求められている。こうしたなか、汎用金属を用いた触媒の創製を通じて、医薬品の生産に応用可能な有用化合物の効率的合成法の開発に取り組んでいるのが、北海道大学 大学院薬学研究院 … [もっと読む...] about 汎用金属触媒の開発で、医薬品候補分子の実用化を推進する〜松永茂樹・北海道大学 教授
高効率・高密度な光伝送の仕組みを開発する〜岩本 敏・東京大学生産技術研究所 准教授
サーバなどの情報機器の中でも光による情報伝送のニーズが高まる中、高効率な光制御の技術が求められている。そこで注目されているのが、フォトニック結晶だ。フォトニック結晶とは光の波長程度の屈折率周期構造をもつ人工光学材料であるが、フォトニック結晶を利用することで従来の材料では困難であった光制御技術や光学現象の実現ができると期待されている。さらに最近では物性物理の分野で発展しているトポロジーという考え方をフォトニック結晶研究に取り入れることで、新たな可能性が見え始めている。この新たな展開に挑んでいるのが、東京大学生産技術研究所の岩本 敏 … [もっと読む...] about 高効率・高密度な光伝送の仕組みを開発する〜岩本 敏・東京大学生産技術研究所 准教授
有機化学的手法で、原子レベルのイメージングを実現する〜岡本晃充・東京大学 先端科学技術研究センター 教授
人間の体で起こるさまざまな変化の要因を探るには、体を構成する分子や原子がどのように組み上がっているのかを明らかにしなければならない。そのうち核酸・タンパク質といった生体高分子からひとつの構成単位だけを選択的に認識し可視化するには「有機化学的手法」が有効である。こうした、原子単位で物質を扱う有機化学の考え方を生物学・遺伝学の分野へ積極的に導入しているのが、東京大学先端科学技術研究センター 岡本晃充教授だ。今回は岡本教授に、研究アプローチの有効性や、研究室が独自に開発したDNA … [もっと読む...] about 有機化学的手法で、原子レベルのイメージングを実現する〜岡本晃充・東京大学 先端科学技術研究センター 教授
原子間力顕微鏡で、原子レベルの作用を明らかにする〜福間 剛士・金沢大学ナノ生命科学研究所 所長
ハードディスクやディスプレイなど、ナノスケールの技術は表面や界面を制御するために世の中で幅広く使われ、開発も盛んだ。しかしながらその原子構造を正確に「観る」技術は実はなく、想像に頼った開発が行なわれているのが実情だ。そこで有効になるのが、「原子間力顕微鏡」(AFM)と呼ばれる、原子や分子のレベルまで観ることができる顕微鏡だ。物質の作用を原子レベルで正確に観ることによって、正確無比な開発が可能になることが期待されている。今回は世界有数の原子間力顕微鏡を持ち、文部科学省からのWPI採択も受けた金沢大学ナノ生命科学研究所の福間 … [もっと読む...] about 原子間力顕微鏡で、原子レベルの作用を明らかにする〜福間 剛士・金沢大学ナノ生命科学研究所 所長
分子の構造解析で、新型プラスチックを実用化する〜岩田忠久・東京大学教授
使い捨てプラスチックの利用禁止など、年々プラスチックをめぐる社会的な制約が厳しくなりつつある。そこで注目されるのが、環境に優しい生分解性プラスチックの存在だ。こうしたなか、分子構造の見地から、実使用に耐えうる生分解性プラスチックの研究をすすめているのが、東京大学の岩田忠久教授。同教授は最新鋭の設備を用いて、強い生分解性プラスチックの構造解析を主に行いながら、並行して全く新しい自然由来のプラスチック開発にも取り組んでいる。今回は岩田教授に、プラスチックをめぐる社会的なニーズの移り変わりと、アカデミアが果たすべき役割について話を伺った。 生分解性プラスチックの分子構造を解析 Q:まず、生分解性プラスチックの研究には、どんな社会的ニーズがあるのでしょうか。 プラスチックは石油を原料としてつくられており、非常に丈夫で長持ちする上に軽いという性質があります。こ … [もっと読む...] about 分子の構造解析で、新型プラスチックを実用化する〜岩田忠久・東京大学教授
世界最高水準の量子コンピューティングで、新たな発見を生み出す〜山本直樹・慶應義塾大学理工学部 物理情報工学科 准教授
近年注目されている量子コンピュータは、量子力学に基づく並列計算の仕組みをベースとしており、大規模な計算を短時間で解決することが期待されている。しかしながら、劇的な計算時間短縮を達成する理想的な量子コンピュータを実現するためには、まだまだ乗り越えなければいけない課題が多い。いっぽう、すでに実用化できるレベルの量子コンピュータで解決できる社会課題に取り組むという方向性も生まれている。この方向性の典型が、IBMが推進する「IBM Q Network」プロジェクト。このアジア地域ハブの責任者を務めるのが、慶應義塾大学理工学部物理情報工学科の山本 … [もっと読む...] about 世界最高水準の量子コンピューティングで、新たな発見を生み出す〜山本直樹・慶應義塾大学理工学部 物理情報工学科 准教授
尿中マーカーの発見で、食物アレルギー検査の課題を解決する〜村田幸久・東京大学大学院准教授
社会的に問題になりつつある食物アレルギーであるが、小児のアレルギー検査においては明確な数値基準がなく、診断が難しいという現状がある。確定診断するには、疑いのある抗原を実際に食べさせて、その反応を見る経口抗原負荷試験が必要であるが、患者と医師、双方への負担も大きく、食物アレルギーの有無を、調べたくても調べられないという声も多い。こうしたなか、簡便で安価な検査キットの開発と普及に取り組むのが、東京大学大学院農学生命科学研究科の村田幸久准教授。今回は村田准教授に、アレルギー検査をめぐる社会的な課題と解決するための展望について伺った。 小児食物アレルギーの検査は、課題が多い Q:まずは、研究の概要について教えてください。 食物アレルギーの患者さんの数は急激に増えています。なぜ急激に増えたのか、その原因は分かっていませんが、この10年で1.8倍に増えており、そ … [もっと読む...] about 尿中マーカーの発見で、食物アレルギー検査の課題を解決する〜村田幸久・東京大学大学院准教授