脳の海馬は、経験した出来事についての記憶である「エピソード記憶」の形成を担っているが、この海馬がどのような神経回路メカニズムによってエピソード記憶を形成しているのかは未だ解明されていない。こうしたなか、脳の海馬を中心に、エピソード記憶などの認知機能の神経メカニズムをネットワークレベルで解明するべく研究しているのが、理化学研究所脳科学総合研究センター … [もっと読む...] about エピソード記憶のメカニズムを、ネットワークレベルで解明する〜藤澤茂義・理化学研究所脳科学総合研究センター システム神経生理学研究チーム チームリーダー
Bio/Life Science
医工連携で、膵がん診断ナノデバイスを開発する〜村田 正治・九州大学先端医療イノベーションセンター特任教授
がんのなかでも早期発見が難しく、治療も難しい膵がんの治療には、あらたな技術が求められている。こうしたなか、タンパクからつくったナノデバイスを活用し、膵がんに特化したカプセルをつくることで、ドラッグデリバリーシステムの新たな活路を拓いているのが、九州大学先端医療イノベーションセンターの村田 … [もっと読む...] about 医工連携で、膵がん診断ナノデバイスを開発する〜村田 正治・九州大学先端医療イノベーションセンター特任教授
世界の収量データベースから、穀物の収量変動を予測する〜飯泉 仁之直・農研機構 農業環境変動研究センター主任研究員
世界レベルでの食料需給の安定化と飢餓対策のためには、グローバルな食料生産変動の予測・監視に基づく食料輸入国での備蓄や国際機関による緊急援助などの対策が重要である。しかしながら従来、入手できる作物収量データには制約があり、予測できる地域が限定されるという課題があった。こうしたなか、主要穀物の生産地域を網羅するグローバルな収量データベースを構築し、気温と土壌水分量の季節予測データと組み合わせ、全世界の収穫面積の約20%にあたる地域の米・小麦の収量変動を収穫3か月前に予測できるモデルを発表したのが、農研機構 農業環境変動研究センターの飯泉 仁之直 … [もっと読む...] about 世界の収量データベースから、穀物の収量変動を予測する〜飯泉 仁之直・農研機構 農業環境変動研究センター主任研究員
キリンの解剖から、首の進化を解明する〜郡司 芽久・国立科学博物館日本学術振興会特別研究員PD
ヒトなど哺乳類を含む脊椎動物(せきついどうぶつ)の生態や進化を考えるうえで重要なのが、首や背骨に関する解剖学的な視点である。これら脊椎動物のなかでもキリンに注目し、独自性の高い研究をおこなっているのが、国立科学博物館の郡司 … [もっと読む...] about キリンの解剖から、首の進化を解明する〜郡司 芽久・国立科学博物館日本学術振興会特別研究員PD
活性汚泥のメカニズムを最新技術で解明する〜佐藤由也・産業技術総合研究所環境管理研究部門 主任研究員
日本の下水処理場では、「活性汚泥」と呼ばれる微生物の集団を用いた下水の分解処理がなされている。この活性汚泥は長年使われているが、その正確なメカニズムが解明されないまま今日に至っている。こうしたなか、近年目覚ましい発達を遂げている次世代シーケンサーを用いて、「微生物生態学」の観点から活性汚泥のメカニズム解明に取り組んでいるのが、産業技術総合研究所環境管理研究部門の佐藤由也主任研究員だ。数千種類の微生物の集合体を観察する手法と研究アプローチについて、佐藤研究員に話を伺った。 微生物生態学の観点から活性汚泥を研究 Q:まずは研究の概要について教えてください。 我々の家庭やオフィスなど、人がいるところでは必ずと言っていいほど水を使います。使った水は必ず処理をしてからでないと、川などに流すことはできません。我々が行っているのは、処理場に集められた下水を川に流す … [もっと読む...] about 活性汚泥のメカニズムを最新技術で解明する〜佐藤由也・産業技術総合研究所環境管理研究部門 主任研究員
匂いの研究から、行動・意識の神経回路メカニズムを解明する〜吉原良浩・理化学研究所脳神経科学研究センター システム分子行動学研究チーム チームリーダー
生物の持つ五感のうち、最も原始的な感覚が嗅覚である。未解明な部分も多い嗅覚メカニズムを解明することで、生物のさまざまな行動の作動原理が理解されることが期待されている。こうしたなか、マウスやゼブラフィッシュをモデル生物として用い、匂い入力から行動出力へと至る嗅覚神経回路メカニズムの統合的研究を手掛けているのが、理化学研究所脳神経科学研究センター … [もっと読む...] about 匂いの研究から、行動・意識の神経回路メカニズムを解明する〜吉原良浩・理化学研究所脳神経科学研究センター システム分子行動学研究チーム チームリーダー
細胞を改造し、あらたな薬にする〜小嶋 良輔・東京大学大学院医学系研究科 助教
細胞をプログラミングし、従来では不可能だった治療を可能にする「合成生物学」が、近年めざましい発達をとげている。こうしたなか、制御原理があまり開発されてこなかった「細胞間コミュニケーション」に注目し、次世代医療に応用可能な形でエンジニアリングすることを目指した研究を行なっているのが、東京大学大学院 医学系研究科生体物理医学専攻 医用生体工学講座 生体情報学分野の小嶋 … [もっと読む...] about 細胞を改造し、あらたな薬にする〜小嶋 良輔・東京大学大学院医学系研究科 助教
微生物のロドプシン研究で、生体メカニズムを解明する〜井上 圭一・東京大学物性研究所・機能物性研究グループ 准教授
生物の活動において、知覚センサーやエネルギー源として役割を果たすのが、さまざまな光受容タンパク質である。光受容タンパク質「ロドプシン」は、動物や微生物の生体内で、視覚情報の伝達や光によるイオンの輸送を行う物質であるが、近年まで分子メカニズムの解明が進んでおらず、その全容が判明していなかった。こうしたなか、先端的分光法を用いて、微生物型ロドプシンを中心としたそのメカニズム解明を目指しているのが、東京大学物性研究所・機能物性研究グループの井上 … [もっと読む...] about 微生物のロドプシン研究で、生体メカニズムを解明する〜井上 圭一・東京大学物性研究所・機能物性研究グループ 准教授
ブレイン・マシン・インターフェースで脳の力を引き出す〜牛場潤一・慶應義塾大学理工学部准教授
脳血管疾患では、罹患後に生じる運動や高次機能障害の予後不良性、そしてその結果として増す介護負担など、長期にわたるさまざまな課題が問題視されている。こうしたなか、脳に残された回路を呼び覚まし、病気やけがで失った神経機能を回復させる研究が注目を集めている。BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)と呼ばれるこの装置の開発研究に取り組んでいるのが、慶應義塾大学理工学部 … [もっと読む...] about ブレイン・マシン・インターフェースで脳の力を引き出す〜牛場潤一・慶應義塾大学理工学部准教授
シナプスとマイクログリアの関係を探る〜小山隆太・東京大学大学院薬学系研究科 准教授
脳が正常な機能を発揮するためには、精密に配線された神経回路の存在が必要だ。自閉スペクトラム症(ASD)やてんかんなどの原因は、シナプス形成不全などの神経回路構造の異変にあるとされている。近年、このシナプス形成について、マイクログリアやアストロサイトといったグリア細胞が積極的に関与することが示されつつある。その解明をすべく、モデル動物を利用した健常脳および病態脳における神経回路形成へのグリアの関与を研究しているのが、東京大学大学院薬学系研究科 … [もっと読む...] about シナプスとマイクログリアの関係を探る〜小山隆太・東京大学大学院薬学系研究科 准教授