生物の持つ五感のうち、最も原始的な感覚が嗅覚である。未解明な部分も多い嗅覚メカニズムを解明することで、生物のさまざまな行動の作動原理が理解されることが期待されている。こうしたなか、マウスやゼブラフィッシュをモデル生物として用い、匂い入力から行動出力へと至る嗅覚神経回路メカニズムの統合的研究を手掛けているのが、理化学研究所脳神経科学研究センター … [もっと読む...] about 匂いの研究から、行動・意識の神経回路メカニズムを解明する〜吉原良浩・理化学研究所脳神経科学研究センター システム分子行動学研究チーム チームリーダー
Bio/Life Science
細胞を改造し、あらたな薬にする〜小嶋 良輔・東京大学大学院医学系研究科 助教
細胞をプログラミングし、従来では不可能だった治療を可能にする「合成生物学」が、近年めざましい発達をとげている。こうしたなか、制御原理があまり開発されてこなかった「細胞間コミュニケーション」に注目し、次世代医療に応用可能な形でエンジニアリングすることを目指した研究を行なっているのが、東京大学大学院 医学系研究科生体物理医学専攻 医用生体工学講座 生体情報学分野の小嶋 … [もっと読む...] about 細胞を改造し、あらたな薬にする〜小嶋 良輔・東京大学大学院医学系研究科 助教
微生物のロドプシン研究で、生体メカニズムを解明する〜井上 圭一・東京大学物性研究所・機能物性研究グループ 准教授
生物の活動において、知覚センサーやエネルギー源として役割を果たすのが、さまざまな光受容タンパク質である。光受容タンパク質「ロドプシン」は、動物や微生物の生体内で、視覚情報の伝達や光によるイオンの輸送を行う物質であるが、近年まで分子メカニズムの解明が進んでおらず、その全容が判明していなかった。こうしたなか、先端的分光法を用いて、微生物型ロドプシンを中心としたそのメカニズム解明を目指しているのが、東京大学物性研究所・機能物性研究グループの井上 … [もっと読む...] about 微生物のロドプシン研究で、生体メカニズムを解明する〜井上 圭一・東京大学物性研究所・機能物性研究グループ 准教授
ブレイン・マシン・インターフェースで脳の力を引き出す〜牛場潤一・慶應義塾大学理工学部准教授
脳血管疾患では、罹患後に生じる運動や高次機能障害の予後不良性、そしてその結果として増す介護負担など、長期にわたるさまざまな課題が問題視されている。こうしたなか、脳に残された回路を呼び覚まし、病気やけがで失った神経機能を回復させる研究が注目を集めている。BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)と呼ばれるこの装置の開発研究に取り組んでいるのが、慶應義塾大学理工学部 … [もっと読む...] about ブレイン・マシン・インターフェースで脳の力を引き出す〜牛場潤一・慶應義塾大学理工学部准教授
シナプスとマイクログリアの関係を探る〜小山隆太・東京大学大学院薬学系研究科 准教授
脳が正常な機能を発揮するためには、精密に配線された神経回路の存在が必要だ。自閉スペクトラム症(ASD)やてんかんなどの原因は、シナプス形成不全などの神経回路構造の異変にあるとされている。近年、このシナプス形成について、マイクログリアやアストロサイトといったグリア細胞が積極的に関与することが示されつつある。その解明をすべく、モデル動物を利用した健常脳および病態脳における神経回路形成へのグリアの関与を研究しているのが、東京大学大学院薬学系研究科 … [もっと読む...] about シナプスとマイクログリアの関係を探る〜小山隆太・東京大学大学院薬学系研究科 准教授
微細藻類の研究で、新たなバイオプラスチック原料を開発する〜小山内 崇・明治大学農学部農芸化学科 准教授
低酸素社会の実現に向け、現代生活に必須なプラスチックの原料を、石油から生物由来のものにシフトしていくことが求められている。こうしたなか、シアノバクテリアや真核藻類を使った基礎・応用研究をもとに、低炭素社会の実現に向けたバイオプラスチックの原料の効率的な生産法の開発に注力しているのが、明治大学農学部農芸化学科の小山内崇 … [もっと読む...] about 微細藻類の研究で、新たなバイオプラスチック原料を開発する〜小山内 崇・明治大学農学部農芸化学科 准教授
CRISPR-Cas9の立体構造をもとに、ゲノム編集をさらなる高みへと導く〜西増弘志・東京大学大学院 理学系研究科 准教授
生命の設計図であるゲノム情報を書き換える「ゲノム編集」という言葉がにわかに注目されている。2013年に報告されたCRISPR-Cas9を用いたゲノム編集技術はさまざまな分野に技術革新をもたらした。DNAを切断するハサミ役であるCas9タンパク質、ガイドRNA、ターゲットDNAからなる複合体の結晶構造を世界にさきがけて解明し注目を集めているのが、東京大学 大学院理学系研究科 西増弘志 … [もっと読む...] about CRISPR-Cas9の立体構造をもとに、ゲノム編集をさらなる高みへと導く〜西増弘志・東京大学大学院 理学系研究科 准教授
独自の手法を組み合わせ、日本の陽子線治療をリードする〜白土 博樹・北海道大学教授
先進国のがん治療において、半数以上の患者が受けるのが放射線治療である。しかしながら、日本に限るとこの放射線治療の割合は低く改善が望まれる。こうしたなか、動体追跡と陽子線を組み合わせた独自の治療手法によって、さまざまな種類のがんへの対応を実現したのが、北海道大学大学院医学研究院 医理工学院長の白土博樹教授だ。今回は白土教授に陽子線を用いたがん治療の最前線について伺った。 動体追跡と陽子線を組み合わせた治療を開発 Q:まずは、研究の概要について教えてください。 現代は日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人はがんで亡くなるといわれています。放射線治療というと、非常に侵襲性が低く、大手術と比べても患者さんが外来で治療を受けることができ、さらに抗がん剤と比べて副作用が少ないという特徴があります。そのため先進国においては、約60パーセントの患者さんが放射線 … [もっと読む...] about 独自の手法を組み合わせ、日本の陽子線治療をリードする〜白土 博樹・北海道大学教授
がん発生のメカニズムを明らかにする〜昆 俊亮・東京理科大学講師
「発がん」はよく耳にする言葉であるが、実はがんを研究する腫瘍発生学においては、がん細胞が産出されたときに体内で何が起きているかなど、未解明の部分が数多くある。そうしたがん研究において、がん細胞が誕生したときの生体内反応を中心に発がん研究に取り組んでいるのが、東京理科大学 生命医科学研究所 発生及び老化研究部門の昆 … [もっと読む...] about がん発生のメカニズムを明らかにする〜昆 俊亮・東京理科大学講師
アトピー性皮膚炎のメカニズムを突き止め、新薬を開発する〜椛島 健治・京都大学大学院教授
日本でも患者数が多いアトピー性皮膚炎は、難治性の慢性疾患として高い治療ニーズがある。こうしたなか、アトピー性皮膚炎の克服のために可視化技術を用いた研究手法を開発し、皮膚バリア・免疫・かゆみの観点からアトピー性皮膚炎の要因を検証する実験で注目されているのが、京都大学大学院医学研究科の椛島 … [もっと読む...] about アトピー性皮膚炎のメカニズムを突き止め、新薬を開発する〜椛島 健治・京都大学大学院教授