物質を構成している原子や分子がどのように集合しているのかを観察するための方法として、X線結晶構造解析がある。X線結晶構造解析は、結晶中の原子配置を精度良く評価して、被験物質の性質を解明する研究手法としてすぐれているが、試料の放射線損傷やX線光子数の少なさが原因で高分解能データが得られないと、解析精度が低下するという弱点がある。こうしたなか、計測できない高分解能データを推定・発生する技術により、超高精細とも言えるX線結晶構造解析を実現させるべく研究を進めているのが、理化学研究所 創発物性科学研究センター 物質評価支援チーム … [もっと読む...] about 高分解能データの推定技術で、超高精細な結晶構造解析を実現する〜星野 学・理化学研究所 創発物性科学研究センター 物質評価支援チーム 研究員
新世代3Dプリンターの開発で、地産地消をつくる〜梅津 信二郎・早稲田大学 創造理工学部 総合機械工学科 教授
3Dプリンターの登場後、「個人がつくりたいときに物をつくることができる」社会への期待が高まっている。こうしたなか、単なる趣味を超えた「社会にとっての最適な地産地消」を理想系とし、3Dプリンタが日常に溶け込んだアーキテクチャを構想しているのが、早稲田大学 創造理工学部 総合機械工学科 の梅津 … [もっと読む...] about 新世代3Dプリンターの開発で、地産地消をつくる〜梅津 信二郎・早稲田大学 創造理工学部 総合機械工学科 教授
遺伝子研究から、嗅覚の謎を解き明かす〜廣田 順二・東京工業大学生命理工学院 生命理工学系 准教授
嗅覚は五感のなかでも研究がすすんでおらず、手付かずの未解明の問題がまだまだ残されている。嗅神経系の成り立ちと機能の理解を目指し、遺伝子レベルから個体レベルまでの化学感覚研究を広く行なっているのが、東京工業大学生命理工学院の廣田 順二 准教授。長大なゲノムDNAを安定に操作するための技術開発とその応用研究というゲノム工学技術領域にも携わる廣田 … [もっと読む...] about 遺伝子研究から、嗅覚の謎を解き明かす〜廣田 順二・東京工業大学生命理工学院 生命理工学系 准教授
放線菌の研究で、新物質を見つける、生み出す〜大西 康夫 ・東京大学大学院農学生命科学研究科 教授
天然の抗生物質の3分の2程度を生産するのが、複雑な形態分化と二次代謝産物の多様性に特徴づけられる細菌「放線菌」である。「発酵学」すなわち「応用微生物学」の分野で、この放線菌に関わる研究に力を入れているのが、東京大学大学院農学生命科学研究科の大西 … [もっと読む...] about 放線菌の研究で、新物質を見つける、生み出す〜大西 康夫 ・東京大学大学院農学生命科学研究科 教授
生態発生学の観点から、多様な動物の進化を解明する〜三浦 徹・東京大学大学院理学系研究科 附属臨海実験所 教授
動物の革新的な進化は、いかにして起こるのか。これら発生過程を解明するべく、さまざまな種類の動物の生活史や発生機構について研究を行なう学問が、生態発生学と呼ばれる学問である。この生態発生学の第一人者として知られるのが、東京大学 大学院理学系研究科 附属臨海実験所の三浦 … [もっと読む...] about 生態発生学の観点から、多様な動物の進化を解明する〜三浦 徹・東京大学大学院理学系研究科 附属臨海実験所 教授
宇宙滞在技術の開発から、地球の新たな環境資源技術を生み出す〜中田 一弥・東京農工大学大学院 准教授
地球上の環境・資源問題を解決するためのヒントとして、宇宙に滞在するための技術開発によって生まれたエコ技術、再生技術を応用するというアプローチがある。こうしたなか、光エネルギーを化学反応エネルギーへと変換する光機能性材料を開発・応用して環境汚染物質や有害微生物の除去、ありふれた資源から化学品や薬剤などの有用物質を作り出す研究に取り組んでいるのが、東京農工大学大学院・農学研究院・生物システム科学部門の 中田 一弥 … [もっと読む...] about 宇宙滞在技術の開発から、地球の新たな環境資源技術を生み出す〜中田 一弥・東京農工大学大学院 准教授
高次元データ解析で、コンピュータに「視覚」を持たせる〜石川 博・早稲田大学 理工学術院 教授
機械が画像中の物体や状況などを認識することは、ロボットの能力向上に不可欠であるものの、既存の情報技術ではいまだ実現が困難とされている。こうした中、コンピュータに視覚を持たせる「コンピュータービジョン」とパターン解析を中心とした研究に取り組んでいるのが、早稲田大学理工学術院の石川 … [もっと読む...] about 高次元データ解析で、コンピュータに「視覚」を持たせる〜石川 博・早稲田大学 理工学術院 教授
小麦の品種改良で、世界の食糧危機を防ぐ〜辻本 壽・鳥取大学乾燥地研究センター副所長・教授
地球規模での人口増と温暖化に備え、あらたな穀物の品種のニーズが高まっている。こうしたなか、遺伝子工学と染色体工学の技術を利用して、乾燥ストレスに強い作物の品種改良に大規模に取り組んでいるのが、鳥取大学乾燥地研究センターの辻本 … [もっと読む...] about 小麦の品種改良で、世界の食糧危機を防ぐ〜辻本 壽・鳥取大学乾燥地研究センター副所長・教授
クマの生態研究から、森林の生態系を解明する〜小池 伸介・東京農工大学大学院農学研究院 准教授
森林の多種多様な動物や植物は、相互に影響しあいながら生活を送っている。こうしたなか、野生のツキノワグマを中心に、森林の生き物の生態を生態学的手法により解析し、森林と人類の共存のために必要な知見を日々発表しているのが、東京農工大学大学院農学研究院 の小池 伸介 … [もっと読む...] about クマの生態研究から、森林の生態系を解明する〜小池 伸介・東京農工大学大学院農学研究院 准教授
コンクリートの研究から、建築の本質を見直す〜野口 貴文・東京大学大学院工学系研究科 教授
現代の建築物の主要な構造形式となっている鉄筋コンクリートは経年変化に弱く、都市の景観を保全するという観点から改善が求められている。こうしたなか、コンクリート建築の第一人者として、建築材料の開発および性能評価、ならびに材料選定手法(材料計画)の体系化、資源環境問題も視野に入れた研究を行なっているのが、東京大学大学院工学系研究科の野口貴文教授だ。今回は野口教授に、いま考えるべきコンクリート建築のあり方について話を伺った。 自然環境下で「安定」な材料を追求 Q:まずは研究の概要について教えてください。 当研究室では、一貫してコンクリートの研究を長年続けてきました。もともとコンクリートというものがいつできあがったのかですが、セメントを広義に捉えると、紀元7000〜8000年前にセメントを用いたコンクリートの床がつくられていたことがわかっています。もちろん現代 … [もっと読む...] about コンクリートの研究から、建築の本質を見直す〜野口 貴文・東京大学大学院工学系研究科 教授