脳が正常な機能を発揮するためには、精密に配線された神経回路の存在が必要だ。自閉スペクトラム症(ASD)やてんかんなどの原因は、シナプス形成不全などの神経回路構造の異変にあるとされている。近年、このシナプス形成について、マイクログリアやアストロサイトといったグリア細胞が積極的に関与することが示されつつある。その解明をすべく、モデル動物を利用した健常脳および病態脳における神経回路形成へのグリアの関与を研究しているのが、東京大学大学院薬学系研究科 … [もっと読む...] about シナプスとマイクログリアの関係を探る〜小山隆太・東京大学大学院薬学系研究科 准教授
Bio/Life Science
微細藻類の研究で、新たなバイオプラスチック原料を開発する〜小山内 崇・明治大学農学部農芸化学科 准教授
低酸素社会の実現に向け、現代生活に必須なプラスチックの原料を、石油から生物由来のものにシフトしていくことが求められている。こうしたなか、シアノバクテリアや真核藻類を使った基礎・応用研究をもとに、低炭素社会の実現に向けたバイオプラスチックの原料の効率的な生産法の開発に注力しているのが、明治大学農学部農芸化学科の小山内崇 … [もっと読む...] about 微細藻類の研究で、新たなバイオプラスチック原料を開発する〜小山内 崇・明治大学農学部農芸化学科 准教授
CRISPR-Cas9の立体構造をもとに、ゲノム編集をさらなる高みへと導く〜西増弘志・東京大学大学院 理学系研究科 准教授
生命の設計図であるゲノム情報を書き換える「ゲノム編集」という言葉がにわかに注目されている。2013年に報告されたCRISPR-Cas9を用いたゲノム編集技術はさまざまな分野に技術革新をもたらした。DNAを切断するハサミ役であるCas9タンパク質、ガイドRNA、ターゲットDNAからなる複合体の結晶構造を世界にさきがけて解明し注目を集めているのが、東京大学 大学院理学系研究科 西増弘志 … [もっと読む...] about CRISPR-Cas9の立体構造をもとに、ゲノム編集をさらなる高みへと導く〜西増弘志・東京大学大学院 理学系研究科 准教授
独自の手法を組み合わせ、日本の陽子線治療をリードする〜白土 博樹・北海道大学教授
先進国のがん治療において、半数以上の患者が受けるのが放射線治療である。しかしながら、日本に限るとこの放射線治療の割合は低く改善が望まれる。こうしたなか、動体追跡と陽子線を組み合わせた独自の治療手法によって、さまざまな種類のがんへの対応を実現したのが、北海道大学大学院医学研究院 医理工学院長の白土博樹教授だ。今回は白土教授に陽子線を用いたがん治療の最前線について伺った。 動体追跡と陽子線を組み合わせた治療を開発 Q:まずは、研究の概要について教えてください。 現代は日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人はがんで亡くなるといわれています。放射線治療というと、非常に侵襲性が低く、大手術と比べても患者さんが外来で治療を受けることができ、さらに抗がん剤と比べて副作用が少ないという特徴があります。そのため先進国においては、約60パーセントの患者さんが放射線 … [もっと読む...] about 独自の手法を組み合わせ、日本の陽子線治療をリードする〜白土 博樹・北海道大学教授
がん発生のメカニズムを明らかにする〜昆 俊亮・東京理科大学講師
「発がん」はよく耳にする言葉であるが、実はがんを研究する腫瘍発生学においては、がん細胞が産出されたときに体内で何が起きているかなど、未解明の部分が数多くある。そうしたがん研究において、がん細胞が誕生したときの生体内反応を中心に発がん研究に取り組んでいるのが、東京理科大学 生命医科学研究所 発生及び老化研究部門の昆 … [もっと読む...] about がん発生のメカニズムを明らかにする〜昆 俊亮・東京理科大学講師
アトピー性皮膚炎のメカニズムを突き止め、新薬を開発する〜椛島 健治・京都大学大学院教授
日本でも患者数が多いアトピー性皮膚炎は、難治性の慢性疾患として高い治療ニーズがある。こうしたなか、アトピー性皮膚炎の克服のために可視化技術を用いた研究手法を開発し、皮膚バリア・免疫・かゆみの観点からアトピー性皮膚炎の要因を検証する実験で注目されているのが、京都大学大学院医学研究科の椛島 … [もっと読む...] about アトピー性皮膚炎のメカニズムを突き止め、新薬を開発する〜椛島 健治・京都大学大学院教授
特定因子EP2の抑制で、くも膜下出血を予防する〜青木 友浩・国立循環器病研究センター研究所 室長
日本国内だけで年間1万人以上の死亡者が出ているくも膜下出血は、脳動脈瘤の破裂によって引き起こされる。そのため、脳動脈瘤の破裂をいかに予防するかが重要である。こうした中、脳動脈瘤を引き起こす炎症を抑える薬の開発に取り組んでいるのが、国立循環器病研究センター研究所 分子薬理部 創薬基盤研究室の青木 … [もっと読む...] about 特定因子EP2の抑制で、くも膜下出血を予防する〜青木 友浩・国立循環器病研究センター研究所 室長
寿命に関わる遺伝子の仕組みを解明する〜小林武彦・東京大学教授
細胞の多くは老化して死んでしまうなか、それでも生命を維持し続けられるのは、少量の「死なない、あるいは死ににくい細胞」が存在するためである。こうした「死ににくい細胞」の特性を明らかにすべく、遺伝情報であるゲノムの維持機構に着目した研究を行なっているのが、東京大学定量生命科学研究所教授 ゲノム再生研究分野の小林 武彦 … [もっと読む...] about 寿命に関わる遺伝子の仕組みを解明する〜小林武彦・東京大学教授
IoMTで日本のあらたな医療の形を実現する〜猪俣武範・順天堂大学医学部附属順天堂医院 眼科学教室助教
IoTという言葉が一般化するなか、次に注目されているのが「IoMT」だ。IoMTはInternet of Medical Thingsの略で、医療機器とヘルスケアのITシステムをオンラインのコンピューターネットワークを通じてつなぐという概念であり、スマホアプリで患者のデータを取得するなど治療・予防での応用が期待されている。こうしたなか、眼科医として、ドライアイや角膜移植免疫などの研究をする一方で一般社団法人IoMT(Internet of Medical Things)学会を立ち上げ、日本のあらたな医療の形を提唱しているのが、順天堂大学医学部附属 順天堂医院 眼科学教室の猪俣 武範 … [もっと読む...] about IoMTで日本のあらたな医療の形を実現する〜猪俣武範・順天堂大学医学部附属順天堂医院 眼科学教室助教
味覚受容体を介した味物質の受容機構を解明する〜三坂 巧・東京大学准教授
食品の「味」はその価値を決定づける重要な因子だが、味物質受容・認識機構について、その全体像の解明はまだまだ進んでいない。こうしたなか「甘味センサー」となりうる、味の強さを簡単に測れる方法を開発し、「食品の味」に関する研究を進めているのが、東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 生物機能開発化学研究室の三坂 … [もっと読む...] about 味覚受容体を介した味物質の受容機構を解明する〜三坂 巧・東京大学准教授