ビッグデータを活用した新しい医療への取り組みが始まっている。その要点の一つが、京都大学の奥野教授が主導する医療シミュレーション、ビッグデータ創薬などの開発だ。より課題解決において能力を発揮する次期スーパーコンピューターのポスト「京」開発元年となった2015年。大きく舵をきったIT領域と共に、医療はどのように進んでいくのか。奥野教授にお話を伺った。 現代における医療・創薬はスーパーコンピューターとビッグデータなしには語れない Q:現在の研究内容について教えてください。 我々の研究の特徴は医療・創薬の領域においてIT、コンピューターの技術を用いる点です。どのような技術なのかというと、一つはスーパーコンピューター(スパコン)を用いたシミュレーションの技術です。もう一つはAIを利用した、ビッグデータ情報の活用への試みです。つまりスパコン、そしてビッグデ … [もっと読む...] about 創薬は、ビッグデータ活用で激変する〜奥野恭史・京都大学教授/理化学研究所副グループディレクター
Bio/Life Science
エピゲノム研究で、食糧危機を突破する〜金 鍾明・理化学研究所研究員
人類が直面する食糧危機問題に大きな一石を投じる研究成果が生まれた。植物のエピゲノム研究に取り組む研究者・金 … [もっと読む...] about エピゲノム研究で、食糧危機を突破する〜金 鍾明・理化学研究所研究員
リプログラミング技術が、再生医療を変える〜家田真樹・慶應大学講師
世界中で注目が高まる再生医療の技術が大きく前進している。2010年にマウスの線維芽細胞に3つの遺伝子を加えて心筋様細胞へと変える「リプログラミング」技術を生み出した家田真樹講師は、2013年にヒト心臓線維芽細胞から直接心筋様細胞の作成に成功。この開発により、iPS細胞を経由しない再生医療の可能性が拓けた。社会に大きなインパクトを与え続けるこの分野は今後どのような発展を遂げていくのか。家田講師に再生医療の未来を伺った。 Q:現在の研究内容について教えてください。 心臓の再生研究をしています。皮膚や心臓の線維芽細胞と言われる細胞は心臓の筋肉ではない細胞ですが、その線維芽細胞を心臓の筋肉の細胞に変える研究をしています。もちろん何もしなければ変化することはないのですが、特殊な遺伝子を組み合わせて与えれば変化を起こせるということを我々が2010年に発見し … [もっと読む...] about リプログラミング技術が、再生医療を変える〜家田真樹・慶應大学講師
生きたまま細胞を見る、ライブイメージング技術〜中野明彦・東京大学教授/理化学研究所チームリーダー
これまで生命の神秘に覆い隠されてきた細胞内のメカニズムが、次々と開発される画期的な観察技術によって、急速に解明されつつある。世界中の研究者の注目を集める超解像顕微鏡「SCLIM(スクリム)」を開発した中野明彦教授は、この分野を牽引する研究者だ。中野教授の活躍の場は、細胞生物学研究や顕微鏡開発だけに留まらない。研究機関の垣根を越えて日本の学術基盤を強化するための試みが中野教授を中心に始まっている。生物学について、そして今後の基礎研究のあり方について、語って頂いた。 Q:現在の研究内容とは? 専門は細胞生物学です。その中でもタンパク質の細胞内輸送、つまり細胞内でタンパク質が運ばれる際に、はたらくべき場所まで到達するまでのさまざまな過程を研究しています。細胞内では、細胞小器官、つまり膜で仕切られた区画が、それぞれ独立した機能をもち、相互作用しています … [もっと読む...] about 生きたまま細胞を見る、ライブイメージング技術〜中野明彦・東京大学教授/理化学研究所チームリーダー




