一匹では小さな小魚でも、仲間と集まれば天敵をも恐れない大魚となる。童話「スイミー」の逸話だが、同じような現象が自然界に見られるのである。我々人間も例外ではない。バラバラの個人である私たちは、寄り集まって国家を成している。このように自然界にも人間社会にも共通して見られる「群知能」の原理を究明し、新時代の情報ネットワークの構築に活用しようと研究しているのが、栗原教授である。我々の生活のあらゆる面に応用できる群知能の奥深さ、そして世界中で加速するAI競争の中で日本がとるべき戦略について、栗原教授にお話を伺った。 「群知能」とは何か? Q:現在の研究についてお教え下さい。 人工知能の研究をしています。その中でも「群知能」や「知能創発」といった分野で研究を行なっています。群知能とは何かというと、群れのことです。人を含め、全ての知能は群知能であると言い切っ … [もっと読む...] about 「群知能」の研究から、社会を考える〜栗原聡・電気通信大学教授
AI/ICT/Robotics
ネットワークとロボットをもっと身近な存在へ〜川原圭博・東京大学准教授
情報のネットワークが「万有引力」のように日常生活に張り巡らされ、私たちの生活を一層豊かにしてくれる。そんな社会像の実現を目指す「万有情報網プロジェクト」が始動している。その中心で研究に取り組むのが東京大学大学院の川原圭博教授だ。今後、IoT技術の進歩に伴い日本社会はどう変わっていくのか。川原教授にその展望を伺った。 万有情報網プロジェクトを推進 Q:現在はどのような研究をされているのですか? 現在力を入れている研究は、「万有情報網プロジェクト」というキーワードに集約されています。この言葉には、いろいろなストーリーが込められています。 目標としては、知的な機器のネットワークが万有引力のようにどこにでもあるような存在として、それとなく人間の生活をサポートすること、また、そのネットワークを介して、人間が取り溜めた情報が世の中のイノベーションに繋がるこ … [もっと読む...] about ネットワークとロボットをもっと身近な存在へ〜川原圭博・東京大学准教授