脳のなかには約千数百億もの神経細胞があり、それが複雑につながり合って、さまざまな機能を果たしている。しかし、脳にはまだまだ解明されていない謎が多い。そこで身体の外で脳のような神経組織をヒトのiPS細胞から育て、回路の様につなぎ、観察することで、脳の働きや発生の仕組みの解明に取り組んでいるのが、東京大学 生産技術研究所 … [もっと読む...] about 身体の外で脳のような組織を作ることで、脳の仕組みを解明する〜池内 与志穂・東京大学 生産技術研究所 物質・環境系部門 准教授
電気加熱を用いた新たな処理技術により、フッ素の再資源化を実現~安井 晋示・名古屋工業大学 電気・機械工学専攻 教授
エアコンや冷蔵庫などの冷媒、半導体などの製造用クリーニング、電気設備のガス絶縁開閉装置など、多岐にわたり活用されているフロン類。CFC(クロロフルオロカーボン)やHFC(ハイドロフルオロカーボン)、NF3(三フッ化窒素)、SF6(六フッ化硫黄)などの「フッ素化合物」で、温室効果ガスに指定されている。これら気体状のフッ化物に含まれるフッ素を再資源化し、温室効果ガスの排出量削減に寄与できる技術をいち早く開発したのが、名古屋工業大学 電気・機械工学専攻の安井晋示教授だ。従来のやり方ではなく、新たな処理技術を使って、純度の高いフッ化カルシウムの精製に成功した。今回は、研究の独自性や、この研究が生まれた背景、実用化の可能性についてお話を伺った。 酸素を使わずに、純度の高いフッ化カルシウムを精製 Q:研究の概要について教えてください。 地球温 … [もっと読む...] about 電気加熱を用いた新たな処理技術により、フッ素の再資源化を実現~安井 晋示・名古屋工業大学 電気・機械工学専攻 教授
セラミックス材料により、高効率な水素エネルギーの実現を目指す~岩本 雄二・名古屋工業大学大学院工学研究科 生命・応用化学専攻 教授
2050年、温室効果ガスの実質排出量ゼロとする「カーボンニュートラル」の実現に向けて、注目を集めているのが太陽光のエネルギーを駆動力とする「次世代の水素製造」である。この方法は、太陽光をもとに水から水素を生成させるだけでなく、水素と工場などから排出されるCO2から炭化水素を創出し、「人工光合成」と呼ばれるCO2を再利用する循環システムにもなっている。このなかで、水素を効率よく生成するために、低温で、大量の水の中でも水素だけを通すセラミックスの分離膜の開発に初めて成功したのが、名古屋工業大学 大学院工学研究科 生命・応用化学専攻の岩本雄二教授だ。その他にも、岩本教授の材料開発の技術は、水素製造においては多岐にわたって活用されている。セラミックス材料の可能性や、いま力を入れている海外との共同研究などについてお話を伺った。 次世代の水素製造で、水素 … [もっと読む...] about セラミックス材料により、高効率な水素エネルギーの実現を目指す~岩本 雄二・名古屋工業大学大学院工学研究科 生命・応用化学専攻 教授
土木工学の観点から、新たなCO2地中貯留の可能性を解き明かす〜岩井裕正・名古屋工業大学 社会工学科 環境都市分野 助教
日本は、国土の約12倍もの広大な領海や排他的経済水域を有しているにもかかわらず、海洋はまだまだ未知な領域である。カーボンニュートラルの実現に向け、温室効果ガスの削減が叫ばれるなか、大気に放出されるCO2を回収して、深海底に貯留する研究を進めているのが、名古屋工業大学 社会工学科 環境都市分野の岩井裕正助教だ。岩井助教が取り組んでいるのは、「CO2ハイドレート」と言われる、新たな地中貯留の方法である。今回は「CO2ハイドレート」の仕組みや可能性について話を伺った。 日本の海洋地盤に適した「CO2 … [もっと読む...] about 土木工学の観点から、新たなCO2地中貯留の可能性を解き明かす〜岩井裕正・名古屋工業大学 社会工学科 環境都市分野 助教
フレキシブルなイメージセンサーで、 医療現場の課題を解決する〜横田知之・東京大学大学院工学系研究科 電気系工学専攻 准教授
高齢化による在宅医療や遠隔医療のニーズの高まりや、スマートウォッチの普及により、日本の医療・ヘルスケア領域で、フレキシブルなデバイス(センサー)の研究が盛んになってきた。こうしたなか、世界で初めて、指紋・静脈の生体情報とバイタルサインの1つである脈波を同時に計測できる「極薄イメージセンサー」を開発したのが東京大学大学院工学系研究科 電気系工学専攻 横田知之准教授だ。このイメージセンサーにより、患者さんの取り違えやなりますしなどの医療現場の課題を解決できる。今回は、期待を集めている「極薄イメージセンサー」の実用化での道程と、研究課題について伺った。 有機センサー3つの特性を活かして開発 Q:まずは、研究の概要についてお聞かせください。 有機材料を使った柔らかいセンサーの研究をしています。有機デバイスは、おもに「ディスプレイ」と「センサー」の2つに分かれ … [もっと読む...] about フレキシブルなイメージセンサーで、 医療現場の課題を解決する〜横田知之・東京大学大学院工学系研究科 電気系工学専攻 准教授
環境発電の観点から、未利用エネルギーを活用する有機系熱電変換材料を開発する〜岸直希・名古屋工業大学 大学院 准教授
IoTデバイスやウェアラブルデバイスの普及にともない、これまで活用されてこなかった小規模な熱エネルギーを電気エネルギーに変換する「小規模な熱電変換」に注目が集まっている。小規模な熱電変換は、熱の温度差を利用して発電するため環境にやさしくクリーンな発電技術として注目されているが、これを実用可能にするべく材料と素子の研究に取り組んでいるのが、名古屋工業大学 大学院工学研究科 電気・機械工学専攻 電気電子工学分野 の岸 … [もっと読む...] about 環境発電の観点から、未利用エネルギーを活用する有機系熱電変換材料を開発する〜岸直希・名古屋工業大学 大学院 准教授
省エネ・創エネの観点からワイドギャップ半導体を開発する〜加藤正史・名古屋工業大学 大学院工学研究科 電気・機械工学専攻 電気電子分野 准教授
全世界で省エネが注目される昨今、ニーズが高まっているのが、電気を扱う新たな半導体素子の開発である。従来、大きな電力を扱う半導体はシリコンで作られていたが、その代替として注目されているのが、ワイドギャップ半導体だ。このワイドギャップ半導体を用いた新しいエネルギー創出技術に取り組んでいるのが、名古屋工業大学大学院工学研究科電気・機械工学専攻 … [もっと読む...] about 省エネ・創エネの観点からワイドギャップ半導体を開発する〜加藤正史・名古屋工業大学 大学院工学研究科 電気・機械工学専攻 電気電子分野 准教授
シミュレーションと機械学習の融合で、社会問題を解決する〜 平田晃正・名古屋工業大学 大学院工学研究科 電気・機械工学専攻 教授
「医工連携」領域の研究においては、倫理的に検証の難しい医療分野の問題を予測・解決する手法として、計算によるシミュレーションが有効である。こうした視点から、電磁界や熱などの物理的負荷によってヒトの体内で生じる物理量と、それによって誘発される生理応答を統合し、計算機上でモデル化する手法で注目されているのが、名古屋工業大学大学院工学研究科/電気・機械工学専攻の平田晃正教授だ。 携帯電話が出す電波の人体に与える影響を調べる技術から始まり、現在は分野横断的な研究に取り組んでいる平田教授に話を伺った。 医工連携・異分野融合するための技術開発 Q:研究の概要を教えてください。 「生体」におけるシミュレーションを、複数のテーマで研究しています。 シミュレーションによる予測技術が本当の意味で進化すると、AIではなくシミュレーションですべてが可能になると予想されています … [もっと読む...] about シミュレーションと機械学習の融合で、社会問題を解決する〜 平田晃正・名古屋工業大学 大学院工学研究科 電気・機械工学専攻 教授
運動器疾患の発症メカニズム解明から創薬を考える 〜稲田 全規・東京農工大学大学院 生命工学専攻 准教授
運動器である骨・歯・筋はからだの運動を司り、動くこと、歩くこと、食べることを支えることから、これらが病(疾患)に陥いることにより、著しく生活の質( QOL:Quality of Life)が制限される。運動器の疾患は、社会の高齢化や生活習慣と密接に関連し、予防するには個々の病の発症要因を正確に突き止める必要がある。運動器疾患を生命科学からアプローチし、これらの疾病の発症メカニズムの解明と創薬への開発を目指した研究を行なっているのが、東京農工大学大学院 生命工学専攻の稲田 全規 … [もっと読む...] about 運動器疾患の発症メカニズム解明から創薬を考える 〜稲田 全規・東京農工大学大学院 生命工学専攻 准教授
水供給システムの研究で、持続可能な社会像を描く〜小熊 久美子・東京大学大学院工学系研究科 准教授
世界には、水システムの整備が不十分で安全な水を十分に得られない地域が多くある。こうしたなか、水を安定的に持続可能な形で供給するためのシステムづくりと浄水技術についての研究に取り組んでいるのが、東京大学大学院工学系研究科 小熊 久美子 … [もっと読む...] about 水供給システムの研究で、持続可能な社会像を描く〜小熊 久美子・東京大学大学院工学系研究科 准教授