産業界と大学が協力して研究開発を推進する研究拠点「サイエンスパーク」の第一号として注目されているのが、東北大学 … [もっと読む...] about 不揮発性メモリで、電力のイノベーションを起こす〜遠藤哲郎・東北大学 国際集積エレクトロニクス研究開発センター・センター長
がんを血管とリンパ管の研究で抑制する〜渡部徹郎・東京医科歯科大学 大学院 教授
がんの治療において、がん細胞そのものを標的とする以外に周囲の環境を変化させる方法が存在する。がんの転移経路となる血管やリンパ管をコントロールすることで、間接的にがんを食い止めるという発想だ。発生生物学をバックグラウンドとし、がん転移防止研究に取り組むのが、東京医科歯科大学大学院の渡部教授だ。今回はがんの基本的な特性に触れつつ、その研究内容に迫った。 Q:まずは、研究内容からお聞かせください。 がんを治療することを目的とした、血管とリンパ管の研究を進めています。がん細胞が増殖し、転移する過程で重要な役割を果たすのが、血管とリンパ管です。がんの治療においてがん細胞そのものを標的とすることも重要ですが、いかに転移を止めるか、またはがんが大きくならないように周囲の環境を変化させることも非常に重要です。 まず、がんが成長する過程において、血管は重要な役割 … [もっと読む...] about がんを血管とリンパ管の研究で抑制する〜渡部徹郎・東京医科歯科大学 大学院 教授
マクロファージの多彩な機能を発見する〜審良静男・大阪大学免疫学フロンティア研究センター・拠点長
現在、免疫学の分野で研究のテーマとして注目されているのがマクロファージだ。マクロファージはこれまで、細菌やウイルスなどを食べて消化するだけの細胞と考えられていたが、近年、マクロファージは様々な部分で生命機能に重要な役割を果たしているとわかってきている。大別すれば、食べて消化し炎症に関わるものと、炎症を抑えるものの2種類があり、その違いとふるまいの研究が求められているが、その分野で精力的に研究を進めているのが大阪大学免疫学フロンティア研究センターの審良(あきら)拠点長だ。じつは近年にも大きな発見がなされた免疫学の経緯をたどりながら、その研究に迫った。 じつは歴史が「浅い」免疫学 Q:現在の研究内容をお聞かせください。 研究内容をお話しする前に、免疫学のなりたちについてお話しします。実は免疫学は非常に歴史が浅く、近年になってようやく解明されたといえ … [もっと読む...] about マクロファージの多彩な機能を発見する〜審良静男・大阪大学免疫学フロンティア研究センター・拠点長
自由闊達な環境で、ヒューマンセンタードデザインを追求する〜小川克彦・慶應義塾大学環境情報学部教授
自由な校風と学生の若い発想を生かす環境により、近年注目が集まっている慶應義塾大学のSFC(湘南藤沢キャンパス)。授業での問題発見ワークからそのまま製品開発、地域連携まで包含し、デザイン賞まで受賞する成果を挙げているのが、環境情報学部の小川克彦教授だ。 … [もっと読む...] about 自由闊達な環境で、ヒューマンセンタードデザインを追求する〜小川克彦・慶應義塾大学環境情報学部教授
生体分子を人工的材料に融合させ、「バイオものづくり」の新境地を拓く〜伊藤嘉浩・理化学研究所 主任研究員
バイオナノテクノロジーと呼ばれる研究が注目されている。そんな中、「生体分子と人工的材料の融合」を掲げ、長年研究しているのが、理化学研究所・主任研究員の伊藤嘉浩氏だ。氏の研究テーマには、バイオマテリアル、ドラッグデリバリーやバイオチップなど、実現が望まれている技術が並ぶ。今回はそれらの研究の最前線の立場から、話を伺った。 Q:普段最先端の分野を研究なさっていますが、日々進歩がある中で最新の研究の概要にはどんなものがありますか? もともと、工学を医学に応用する「医工学」の分野を、大学院にいる頃からずっと研究してきました。初めは人工臓器の材料を開発する研究をしていました。一番身近な材料ですと、人工血管や人工心臓の材料などがあります。人工血管は血液が流れるだけのチューブのようなもので、人工心臓は血液を流すポンプですね。これらは普通に一般の材料で作っても … [もっと読む...] about 生体分子を人工的材料に融合させ、「バイオものづくり」の新境地を拓く〜伊藤嘉浩・理化学研究所 主任研究員
脳のモデル化で、科学のプロセスを自動化する〜高橋恒一・理化学研究所チームリーダー
情報技術の発達により、「ヒトの脳のような柔軟な知性を人工的に作り出す」ことが遠い未来の世界とは必ずしも言えなくなった。人工知能を知的労働の自動化システムと見たとき、究極の知的労働とは科学や技術の研究開発そのものに他ならない。このような人工知能の未来を予期しながら開発に取り組むのが、理化学研究所で研究室を主宰する高橋恒一チームリーダーだ。今回は人間の脳と人工知能の進歩、科学が抱えている課題について、その進歩の歴史と高橋氏がとなえる「第五の科学=人工知能駆動型科学」を中心に、いま人類が向かいつつあるゴールについて語っていただいた。 コンピュータ上で、生命をシミュレーションする Q:ご自身の研究の概要についてお聞かせください。 現在、理化学研究所生命システム研究センターで、シミュレーションを中心とした計算システム生物学と、脳型人工知能の開発とその応用 … [もっと読む...] about 脳のモデル化で、科学のプロセスを自動化する〜高橋恒一・理化学研究所チームリーダー
タンパク質分解現象を活用し、創薬の可能性を広げる〜宮本悦子・東京理科大学准教授
多くの人々の命を奪ってきた難病、膵臓がん。創薬の長い奮闘の歴史の中で、そうした病気への特効薬はまだない。病気の原因となるタンパク質の75%には現行の方法で薬を作れないからだ。そこで新しいアプローチを武器に創薬に挑んでいるのが東京理科大学の宮本准教授である。豊富な化学の知識を駆使してバイオや生命科学(ライフサイエンス)の分野に新風を吹き込む、その取り組みについて話を伺った。 分解法の創薬、ケミカルノックダウン(CiKD)法によってアンドラッガブルターゲットにメスを入れる Q:現在どのようなご研究に取り組んでいらっしゃるのですか。 私が取り組んでいるのはバイオやライフサイエンスに関する研究です。バイオの研究には色々な種類があるのですが、その中でも未来の薬を創る研究に取り組んでいます。これまでの薬とは違う方法で、全く新しい薬を創りたいと考えています。 … [もっと読む...] about タンパク質分解現象を活用し、創薬の可能性を広げる〜宮本悦子・東京理科大学准教授
広大なウェブの海から情報を集め、分析する〜武田英明・国立情報学研究所教授
日々増大しつづけるウェブ上の情報。人々がよりウェブを使って社会を豊かにしていくために、情報の整理と活用が求められている。セマンティックウェブと呼ばれる観点からウェブのよりよい可能性を追求するのが、国立情報学研究所の武田教授だ。AI分野一筋であるが、自らも「先がわからない分野」だと述べる武田教授に、次世代のウェブの形について伺った。 セマンティックウェブの分野で、ウェブを分析する Q:研究の中心的な内容についてお聞かせください。 私の専門は、人工知能とウェブ情報学です。自分自身ではウェブ情報学と呼んでいますが、かっこよく言うとウェブにある情報を科学するものだと思っていて、主にこの二つの間を研究しています。詳しく言うとその中間にあるもの、専門用語で言う「セマンティックウェブ」が研究の中心になっています。 元々セマンティックウェブという言葉を言い出し … [もっと読む...] about 広大なウェブの海から情報を集め、分析する〜武田英明・国立情報学研究所教授
ダイヤモンド半導体で、環境エネルギー問題を解決する~波多野 睦子・東京工業大学教授
東工大の波多野教授が、ダイヤモンドの特性を利用したナノスケールのセンサーを発表した。本来ダイヤモンドは炭素だけが密に並んだ組成をもつが、そこに窒素と空孔がペアーを組むとセンサーの中核をなす電子スピンの動作が発現されるのだ。この性質に着目した波多野教授は、人工ダイヤモンドの技術をエネルギー問題や医療への応用に取り組む。美しさだけではない、社会を変える可能性を秘めたダイヤモンドの力について伺った。 ダイヤモンドの性質を生かした「究極のセンサー」で社会的課題に切り込む Q: … [もっと読む...] about ダイヤモンド半導体で、環境エネルギー問題を解決する~波多野 睦子・東京工業大学教授
ゲノム編集技術が、生命科学に革命をもたらす〜山本卓・広島大学教授
ゲノム編集技術の劇的な進歩により、生命科学に革命が起きつつある。品種改良や製薬、病気治療など各方面において活用が期待されているゲノム編集技術の研究であるが、「日本は他国に遅れをとっている」と指摘される面もある。ゲノム編集学会の代表を務め、国内の研究環境でさらなる開発に精力的に取り組むのが、広島大学の山本卓教授だ。ゲノム編集の活用方法とその具体的課題について伺った。 Q:研究内容についてお聞かせください。 元々は発生生物学の研究者で卵から色々な細胞がどんなメカニズムで生まれてくるのかについての研究をずっとしていました。約10年前からゲノム編集に利用する、DNAを切断する酵素の開発をスタートさせました。 … [もっと読む...] about ゲノム編集技術が、生命科学に革命をもたらす〜山本卓・広島大学教授