IoTという言葉が一般化するなか、次に注目されているのが「IoMT」だ。IoMTはInternet of Medical Thingsの略で、医療機器とヘルスケアのITシステムをオンラインのコンピューターネットワークを通じてつなぐという概念であり、スマホアプリで患者のデータを取得するなど治療・予防での応用が期待されている。こうしたなか、眼科医として、ドライアイや角膜移植免疫などの研究をする一方で一般社団法人IoMT(Internet of Medical Things)学会を立ち上げ、日本のあらたな医療の形を提唱しているのが、順天堂大学医学部附属 順天堂医院 眼科学教室の猪俣 武範 … [もっと読む...] about IoMTで日本のあらたな医療の形を実現する〜猪俣武範・順天堂大学医学部附属順天堂医院 眼科学教室助教
Bio/Life Science
味覚受容体を介した味物質の受容機構を解明する〜三坂 巧・東京大学准教授
食品の「味」はその価値を決定づける重要な因子だが、味物質受容・認識機構について、その全体像の解明はまだまだ進んでいない。こうしたなか「甘味センサー」となりうる、味の強さを簡単に測れる方法を開発し、「食品の味」に関する研究を進めているのが、東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 生物機能開発化学研究室の三坂 … [もっと読む...] about 味覚受容体を介した味物質の受容機構を解明する〜三坂 巧・東京大学准教授
触覚の科学の観点から、環境と感性の関係を探る〜仲谷正史・慶應義塾大学准教授
現代において、従来あまり意識されることのなかった五感「触覚」が、近年注目されている。こうしたなか、触覚を計測する技術をもとに、心理学・神経科学をあわせた研究を進めているのが、慶應義塾大学環境情報学部の仲谷 … [もっと読む...] about 触覚の科学の観点から、環境と感性の関係を探る〜仲谷正史・慶應義塾大学准教授
ナノマシンの開発で、ドラッグデリバリーシステムの実用性を高める〜宮田完二郎・東京大学准教授
近年、がん治療などで注目を集めている技術「ドラッグデリバリーシステム」においては、さらなる成果のため、より正確な開発が求められている。そこで有効なのが、生体高分子を用いてサイズをコントロールした「ナノマシン」だ。ナノマシンにさまざまな機能を搭載することで、これまで入れなかった血管や細胞に薬を届けることができるなど、従来以上の治療を可能にすることができる。こうしたナノマシンを研究しているのが、東京大学大学院大学院 工学系研究科 … [もっと読む...] about ナノマシンの開発で、ドラッグデリバリーシステムの実用性を高める〜宮田完二郎・東京大学准教授
マイクロ波を用いた検査により、乳がん検査の精度を高める〜木寺 正平・電気通信大学准教授
乳がんは、様々な種類のがんの中でトップクラスの罹患率があり、初期段階での発見が必要である。しかし、現状の初診検査では患者側の負担が大きく、判定も不正確であるなど課題も多い。こうしたなか、「マイクロ波」を用いて従来とは異なる検査手法を開発しているのが、電気通信大学大学院情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻の木寺 … [もっと読む...] about マイクロ波を用いた検査により、乳がん検査の精度を高める〜木寺 正平・電気通信大学准教授
腸管モデルの開発で、科学的実験の土台をつくる〜大澤 朗 ・神戸大学食の安全安心科学センター・センター長
急速に膨れ上がる我が国の医療費。その約1/3が生活習慣病に依るものであり、これを予防・軽減する機能を持つ食品の開発・販売が切望されている。2015年には「機能性表示食品」制度が施行され、生活習慣病予防のための食品開発が盛んに行われている。しかしながら、機能性表示の認可には医薬品同様にヒト介入試験をも含む科学的な機能性の証明が求められ、これが画期的・意欲的な機能性食品開発の障害となっている。こうしたなか、ヒト介入試験に先立って食品の機能性をプレ評価する「KUHIM」と名付けられたヒト腸管モデルを開発したのが、神戸大学 … [もっと読む...] about 腸管モデルの開発で、科学的実験の土台をつくる〜大澤 朗 ・神戸大学食の安全安心科学センター・センター長
尿中マーカーの発見で、食物アレルギー検査の課題を解決する〜村田幸久・東京大学大学院准教授
社会的に問題になりつつある食物アレルギーであるが、小児のアレルギー検査においては明確な数値基準がなく、診断が難しいという現状がある。確定診断するには、疑いのある抗原を実際に食べさせて、その反応を見る経口抗原負荷試験が必要であるが、患者と医師、双方への負担も大きく、食物アレルギーの有無を、調べたくても調べられないという声も多い。こうしたなか、簡便で安価な検査キットの開発と普及に取り組むのが、東京大学大学院農学生命科学研究科の村田幸久准教授。今回は村田准教授に、アレルギー検査をめぐる社会的な課題と解決するための展望について伺った。 小児食物アレルギーの検査は、課題が多い Q:まずは、研究の概要について教えてください。 食物アレルギーの患者さんの数は急激に増えています。なぜ急激に増えたのか、その原因は分かっていませんが、この10年で1.8倍に増えており、そ … [もっと読む...] about 尿中マーカーの発見で、食物アレルギー検査の課題を解決する〜村田幸久・東京大学大学院准教授
コンピュータ外科学で、外科手術をサポートする〜中村亮一・千葉大学フロンティア医工学センター准教授
外科医が行なう手術には高度な技術が必要であるが、その習得・実践をサポートするのに有効なのが「コンピュータ外科学」と呼ばれる、コンピューターやロボットを活用した外科手術である。「医療用のナビゲーションシステム」の実現をめざし、患者に負担の少ない超音波を使ったナビゲーションなどの開発をおこなうのが、千葉大学フロンティア医工学センターの中村亮一准教授。研究の中心は、手術のなかでもナビゲーションが難しい柔らかい臓器に対して、超音波をつかったナビゲーションをおこなうことと,ナビゲーションを利用して医師の技術を分析することだ。今回は中村准教授に、コンピュータ外科学の現在と未来について伺った。 超音波で柔らかい臓器のナビゲーション手術を実現する Q:まずは研究の概要について教えてください。 私が行なっているのは、「コンピュータ外科学」というものです。といっても実は … [もっと読む...] about コンピュータ外科学で、外科手術をサポートする〜中村亮一・千葉大学フロンティア医工学センター准教授
微生物の糖質分解酵素に着目し、酵素の産業応用につなげる〜伏信進矢・東京大学大学院教授
ヒトのおなかにいる腸内細菌は、実に多くの種類の糖質分解酵素を持っている。近年、このタイプの酵素は次々と新しい種類が発見されており、産業応用をにらんだ研究が盛んになっている分野である。こうしたなか、ビフィズス菌が糖鎖を分解する際に作り出す酵素に着目し研究を進めているのが、東京大学大学院農学生命科学研究科の伏信進矢教授だ。今回は伏信教授に、腸内細菌の酵素研究が盛んになった要因と、産業応用に向けて乗り越えるべき課題についてお話を伺った。 ビフィズス菌を中心に、酵素の糖質分解酵素に着目 Q:まずは、研究の概要について教えてください。 私たちが研究しているのは非常に基礎的な、「酵素のかたち」です。酵素が立体的にみてどんなかたちをしていて、どのように働くのかを研究しています。これは、「構造生物学」や「酵素学」と呼ばれている分野です。 構造生物学でいうと、医療応用 … [もっと読む...] about 微生物の糖質分解酵素に着目し、酵素の産業応用につなげる〜伏信進矢・東京大学大学院教授
遺伝子群や神経回路の研究から、記憶の仕組みを解明する〜奥野浩行・鹿児島大学大学院教授
ヒトはどのように物事を記憶しているのか?という問いは、古来から研究されてきた永遠のテーマの一つであり、そのメカニズムは現在でも完全には解明されていない。記憶の仕組みを解明することは、脳を解明することにほかならず、認知症やPTSDといった症状を改善する治療法の開発につながることが期待されている。こうしたなか、幅広い記憶研究のなかでも「陳述的記憶」を中心に研究をおこなうのが、鹿児島大学大学院の奥野浩行教授。経験・学習に関連する遺伝子群や、それらが発現する神経回路の性質と機能を解明することで、記憶のメカズニムを明らかにする研究をおこなう奥野教授に、研究の基本的アプローチについて伺った。 「陳述的記憶」を中心に研究 Q:まず、脳研究の社会的ニーズとはどういったところにあるのでしょうか。 そもそも記憶というものは、「我々が人間として、人間らしく行動するために必 … [もっと読む...] about 遺伝子群や神経回路の研究から、記憶の仕組みを解明する〜奥野浩行・鹿児島大学大学院教授










