現代の建築物の主要な構造形式となっている鉄筋コンクリートは経年変化に弱く、都市の景観を保全するという観点から改善が求められている。こうしたなか、コンクリート建築の第一人者として、建築材料の開発および性能評価、ならびに材料選定手法(材料計画)の体系化、資源環境問題も視野に入れた研究を行なっているのが、東京大学大学院工学系研究科の野口貴文教授だ。今回は野口教授に、いま考えるべきコンクリート建築のあり方について話を伺った。 自然環境下で「安定」な材料を追求 Q:まずは研究の概要について教えてください。 当研究室では、一貫してコンクリートの研究を長年続けてきました。 もともとコンクリートというものがいつできあがったのかですが、セメントを広義に捉えると、紀元7000〜8000年前にセメントを用いたコンクリートの床がつくられていたことがわかっています。 … [Read more...]
スマートグリッド研究で、電気の新たな時代を描く〜山口 順之・東京理科大学工学部 電気工学科 准教授
電力システムは社会を支えるインフラとして、地球温暖化、エネルギーセキュリティ、電源ベストミックスといった課題に直面している。その課題を解決すべく、「電力システム工学」という分野から再生可能エネルギーの大量導入やIoT・AIと融合したスマートグリッド・超スマート社会の構築を実現するための研究を行なっているのが、東京理科大学工学部 電気工学科 の山口 … [Read more...]
渋滞学の観点から、スムーズな社会の動きを生み出す〜西成活裕・東京大学教授
車の渋滞を解決する「渋滞学」という学問が注目されている。様々な場所に現れる「渋滞」現象のメカニズムを物理学的な視点から研究しているのが、東京大学先端科学技術研究センターの西成 活裕 … [Read more...]
医学的エビデンスに基づき、産学連携を推進する〜藤田卓仙・慶應義塾大学医学部特任助教
昨今、世の中に溢れる玉石混交の健康情報。科学的裏付けのないものまでが「常識」として扱われ、正しい理解のないまま利用されている現状が問題視されている。 これらの課題を解決すべく、法律と医学という2つの分野の架け橋として、医療政策学・医事法学・医療経済学・医療情報学といった複合的な視点から学際的な研究を行なうのが、慶應義塾大学医学部の藤田卓仙特任助教だ。 大学のもつリソースを最大限活用し、健康医療情報を科学的に正しく、わかりやすく伝えるための基盤を、医学側から産業界にアプローチしながら進める藤田氏に、いま医療が果たすべき責任と為すべき行動について伺った。 医学的エビデンスに基づいたものを、世の中に普及させる Q:現在の活動について、具体的に教えてください。 慶應大学での研究について現状をまとめると、(1)企業から依頼された産学連携を進める … [Read more...]
自由闊達な環境で、ヒューマンセンタードデザインを追求する〜小川克彦・慶應義塾大学環境情報学部教授
自由な校風と学生の若い発想を生かす環境により、近年注目が集まっている慶應義塾大学のSFC(湘南藤沢キャンパス)。授業での問題発見ワークからそのまま製品開発、地域連携まで包含し、デザイン賞まで受賞する成果を挙げているのが、環境情報学部の小川克彦教授だ。 … [Read more...]